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20XX年。

都内大手電力会社に勤める男は

ある晩会社にかかってきた電話をとる。

電話口からは「ひとごろし」という声がした。

幻聴か、現実か。

神経衰弱に陥った男の日常が徐々に揺らぎ始める。

救いを求めて彷徨い歩く男は、

やがて得体の知れない巨大な影を見る。

その正体は何なのか。

男の不安が頂点に達した時、

ついに“魔”が都市を覆い始める――

 

岩田寛治 役

渡邊 邦彦

1981年東京都出身、俳優部。「多重人格探偵サイコ」(00)より、映像演技をはじめる。主な出演作品に、「SPACE BATTLESHIP ヤマト」(10)「 HEAVENHELL」マレーシア映画(10)「 へんげ」(11)「 ABC・オブ・デス2」アメリカ映画(14)「 road to the sky」Qing bi shan gao中国映画(15)「 EVIL IDOL SONG」(16)「エキストランド」(17)。今作「阿吽」(19)にて、初主演。公開待機作に、Liao Jiekai 監督作「夏の脱ぎ方」、Andy Amadi Okoroafor 監督作「20£ Dream」フランス・ナイジェリア映画がある。

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志帆 役

堀井 綾香

1985年生まれ、大阪府出身。8歳でジャズダンスを始め、表現や創作の楽しさを学ぶ。渋谷のミニシアターで働きながら映画や舞台、アート作品に出演。初監督した主演作「dear TOKYO」はSTARDUST DIRECTORS film fes. 2018賞を受賞し、第19回TAMA NEW WAVEなど他映画祭でも多数入選・上映される。

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淳子 役

佐伯 美波

佐世保市出身。黒川幸則監督「Village on the village」堀禎一監督「夏の娘たち~ひめごと」大工原正樹監督「やす焦がし」に出演。今後の活動としては東京藝術大学大学院修了制作に出演予定。大学在学時に取り組んだコンテンポラリーダンスを生かした創作活動や、ダンサーとしてMVやCM等への出演歴がある。エクスペリメンタルミュージックの杉本拓×佐伯美波のユニットSongsのヨーロッパツアー時のライブ音源等が収録されたセカンドアルバムが完成。

同僚の男 役

篠原 寛作

1978年生、埼玉県出身。アキルフィルム主宰安河内央之に出会い役者を志すようになる。その後自主映画に多数出演。本作では主人公の同僚の男役で出演し印象深い演技をする。主な出演作に「流し屋 鉄平」(2015/榊英雄監督)「こども食堂にて」(2018/佐野翔音監督)。

早苗 役

宮内 杏子

1992年生。群馬県出身。映画「エリーゼを解く」(2015/松本恵監督) うえだ城下町映画祭 グランプリを受賞。「僕らのごはんは明日で待ってる」(2017/市井昌秀監督) 日本生命WebCM「SNAPSHOT 平野美宇&早田ひなペアコーデ編」(2018)「ブリジストン 〜100人のちゃんと買い 若者ドライバー篇〜」(2019)など映像作品を中心に活動。2017年ユカイハンズ出版「写真集:視線」(写真家:新藤早代/協力:青山裕企) に起用され以降「武田コンシューマヘルスケア」スチールモデル、などがある。

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伊吹

松竹 史桜

1995年生。千葉県出身。高校生の時に出た自主映画をきっかけに芝居を始める。主な出演作は『彦とベガ』(2014/谷口未央監督)、『戦慄怪奇ファイル超コワすぎ!恐怖降臨コックリさん』(2015/白石晃士監督)など。現在は舞台を中心に活動中。

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ショップ店員の女 役

上埜 すみれ

東京都出身。第90回キネマ旬報ベストテン個人賞・切通理作監督選出新人女優賞受賞。主な出演作に、山戸結希監督「あの娘が海辺で踊ってる」井口昇監督「キネマ純情」「ゴーストスクワッド」西荻ミナミ監督「歌ってみた恋してみた」など。

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池内 役

板倉 武志

1985年7月2日生まれ、大阪府出身。2009年より劇団「Studio Life」に所属し舞台で芝居の経験を積む。退団後、2013年に劇団「犬と串」(現在活動休止中)に所属。現在、舞台だけでなくドラマ、映画など映像でも活躍の場を広げている。主な出演作品として、映画「夜とケイゴカー」PFFアワードグランプリ作品主演、ドラマ「ホテルコンシェルジュ」「家政夫のミタゾノ」、舞台「昆虫戦士コンチュウジャー」「熱血硬派くにおくん 乱闘演舞編」等がある。

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脚本・編集・監督・プロデューサー

楫野 裕

1978年生、神奈川県出身。安価なビデオカメラで地元の仲間たちと映像制作を始める。20代前半にNCWの16ミリフィルム実習に参加、その時出会った数名の同志と”キャタピラフィルム”を結成し自主映画制作に邁進する。

2006年『胸騒ぎを鎮めろ』がPFF入選。他に『SayGoodbye』(09)『同僚の女』(09)『世界に一つだけの花』(13)などの短編中編を監督し、高い評価を得る。

創作グループ”第七詩社”との出会いから8ミリフィルムの撮影現場を経験し、今作『阿吽』を完成させる。

撮影

宮下 浩平

茨城県出身。芝浦工業大学工学部建築工学科卒業。第七詩社にて自主映画制作を続けている。監督作(撮影兼)の『少年と女』(12)『革命から遠くはなれて』(15)は共に8ミリモノクロフィルム撮影で、今作『阿吽』に於いても同様のフィルム(Kodak Try-X)を使用。他に仙元浩平監督作品の撮影を担当している。

照明

伊東 知剛

1986年生まれ三重県出身。在学時から映画批評、映画論を学ぶ傍ら自主映画を制作。主な監督作に『船と歯車』(07)、『Weeds Still Flaot』(09)。最新作『風下の歌、川上の虹』(18)はレインダンス映画祭のオフィシャルセレクション選出。

俗音

近藤 崇生

1981年東京都生まれ。在学中に、井土紀州監督作『ラザロ-LAZARUS-』に録音助手として参加。その後、録音技師・小林徹哉に師事し、さまざまな録音現場を経験する。主な参加作品に山崎樹一郎監督『新しき民』(2014年)、木村文洋監督『息衝く』(2018年)。

​音楽

河野 英

楫野監督の『呆け磁針』(03)『胸騒ぎを鎮めろ』(06)『SayGoodbye』(09)『同僚の女』(09)『阿吽』(18)の5作品の音楽を担当する。

​監督補

植田 拓史

1980年生、香川県出身。楫野監督と長年自主映画を共につくってきた盟友であり『阿吽』においては監督補として重要な役割を果たす。自身の長編監督作が2019年完成予定。

記録

仙元 浩平

東京都出身。ニューヨーク大学映画学科卒業。第七詩社主宰。20年以上にわたって自主映画をつくり続けている。最近作『夭逝の系譜』『誰も僕の絵を描けないだろう』『春雷』『夕波』など。

特殊メイク

土肥 良成

低予算のホラー、Vシネ、ピンク映画、自主映画などをものすごい量関わっている割に金も権威も無い48歳。怪物と映画の為の空回りの日々。「文化は質より量」を唱えている。最近は「特殊メイク・造型」は趣味で、本業はニートなんじゃ無いか?と、かなり真剣に考えている。

特殊メイク助手

鈴木 雪香

1991年生まれ。東京ビジュアルアーツ特殊メイク学科卒業。特殊メイク造型アシスタントとして、映画『トイレの花子さん新章〜花子vsヨースケ(2016年)』『犬婿入り(2017年)』ドラマ『神ノ牙-JINGA-(2018年)』では鎧製作を経験。近年では2.5次元舞台の特殊衣装や小道具製作が多い。

宣伝美術・劇中画

Ullah

楫野裕監督作『阿吽(あうん)』(2018)にて宣伝美術・劇中画を担当。

その他のキャスト & スタッフ

安竜うらら  井神沙恵  鈴木睦海  瑞貴

岡奈穂子  佐藤晃  國岡伊織  長谷陽一郎

山下輝彦  中信麻衣子  いとうたかし

ターHELL穴トミヤ  新谷寛行   野崎芳史

製作・配給:第七詩社  宣伝:contrail

2018年 / 日本 / 74分 / 8mm→DCP / モノクロ / 1:1.33 / ステレオ  ©2018 yukajino

 

次回上映

2020年8月22日(土)

アップリンク京都「見逃した映画特集」にて1日限定上映

以下、終了しました

【東京】アップリンク渋谷

「見逃した映画特集2019」2020年1月17日(金)

http://www.webdice.jp/dice/detail/5906/

【名古屋】シネマスコーレ

2019年11月30日(土)〜12月6日(金)​

【大阪】シアターセブン

2019年9月28日(土)〜10月4日(金)

【フランクフルト】Naxoshalle Kino

Nippon Connection「NIPPON VISIONS」2019年5月29日(水)

https://2019.nipponconnection.com/films.html

【東京】アップリンク吉祥寺

2019年4月13日(土)〜4月26日(金)

【金沢】21世紀美術館

カナザワ映画祭「期待の新人監督」2018年7月14日(土)

https://www.eiganokai.com/event/filmfes2018/enfd/index.html

 

 あたかも信仰のように社会のデジタル化が進む中で、

時代に抗う1本の映画が制作された。

「阿吽(あうん)」をタイトルに冠したこの映画は、

懐古趣味ではなく、最先端の手段として8mmモノクロフィルムを選択している。

ザラつきながらも深度のある闇。

一瞬差し込む光線の煌めき。

いずれもが破壊と再生を繰り返す現在の東京と人間を描き出す。

監督は、『胸騒ぎを鎮めろ』(06)、『SayGoodbye』(09)などの作品が高い評価を得た楫野裕。

初の長編となる本作は、カナザワ映画祭2018「期待の新人監督」部門のオープニングを飾り、ドイツ・フランクフルトで開催の第19回ニッポンコネクション「ニッポンヴィジョンズ」部門に正式出品された。

 

あうんというのは梵語で意味するところの万物の始めから終わりとのことであるが、楫野監督の本作では世界に個人が飲み込まれる時の音のように思える。自分が自分としての生を無理矢理、放棄させられたとき。またそれを自覚することすら才能になってしまった末世ではもはや他人の命も自分の命も木っ端屑なのだろう。覚醒とは呼べぬドン底への道行き。これを白黒で活写しようとした意気込みは素晴らしい。

平山 夢明 (作家)

二本の樹の幹の表面と川面をありえない人影がよぎり、主人公が木漏れ日を浴びつつ、森のなかをまるで足を使っていないかのように進む。
ここには、まぎれもなく映画が息づいている。物語に恐怖するのではない。映画に恐怖するのだ。

伊藤 洋司 (中央大学教授)

『阿吽』の衝撃。一人の男が鬼になる。我々はその過程をじっと観察する。ムルナウ『ノスフェラトゥ』やドライヤー『吸血鬼』を激しく喚起する古典的なショットの連なりの中心を、現代を生きる人間のエモーションが貫いている。闇に震える画面を見守る我々もきっと鬼になる。驚くべきラスト。この映画の大胆不敵さに茫然とする。

田村 千穂 (映画批評・研究)

闇に覆われていると感じたことがありました。感じるだけで目にすることはなかったのですが、この映画の闇を見て、その時の感覚が蘇りました。陽の光の中、何かを捕まえようとする男の様子を見て、「あの日」を境に漂うことになった目には見えない物質を感じていました。モノクロ8ミリフィルムで撮影された、ザラつく闇と光の質感に、見ることと感じることが噛み合わなくなっていました。

女池 充 (映画監督)

映画監督・楫野裕は、カットのイメージひとつひとつを、決して野放図に紡ぐことがない。ひとつの時間に連なる、これまで・いま・これからのカットは、ある高低差から互いを見つめ合い結び合い、ときに豪放磊落な高さを駆ける。それは氏の奔放な感性によるものかと一時期思っていたが、むしろカットを裁断し続けては端正に切り建てていく、彫刻師のような構築への意思なのだ。それでは“東日本大震災直後の心象”という材と、氏の豪放磊落さと構築への意思とが、なぜ白黒フィルムでの端正な撮影、によって結ばれるのか。あのときの、街じたいではない。言葉でもない。数百年に一度の災厄に際し、不変である自身への焦燥でもない。...映画は、街も言葉も人間も、闇の奥からすすけて輪郭を結んでいく煙や影のように、すべてを等価値に、石の奥ににじむ遥かな記憶へと結ぶ。映画『阿吽』は、石の奥に眠る記憶を思い起こすように、あのときを、そしてあるいは、かつて石や木を無心に彫り、その中になにかを探した人々を思い出すのではないかと思った。

木村 文洋 (映画監督『息衝く』)

この映画は、観る、というより、覗く、に近い。楫野裕は瞬間を切り取る能力を持っている。その瞬間ごとには、意味などないのかもしれない。しかしその「瞬間」が連続性を帯びたとき、果てしなく強大で禍々しいものの輪郭がいよいよ現れてくる。そのときに我々ははじめて「それ」が、実は見えなかったのではなく、大きすぎて視界に入りきらなかっただけのことであったのだと気が付くのである。寝ている他人の脳天をかち割って、悪夢の断片を覗き見ているような、それでいて、ホルマリン漬けが入った綺麗な瓶に映り込んだ自分自身をも見ているような、不可思議な感覚だ。

大木 萠 (映画監督)

4K時代になぜ8ミリフィルムなのか?その疑問はこの作品を見れば氷解するだろう。リフレインされる水辺のイメージ、光と影の不気味なリズム、壁面に浮遊する異形の像――原発と地震によって播種された<死>に浸蝕され憑依された男の悪夢と狂気を奇才楫野裕監督は8ミリでしか絶対に表現できない異様な質感で迫り見る者を震撼させるのである。

武田 崇元(八幡書店社主)

これは、本当に21世紀の現代日本で作られた映画なのだろうか?何ともアナクロな、古式ゆかしい自主映画テイストでつづられる戦慄のポエジー。全編8㎜白黒フィルムで撮られたからそうなのだ、というだけでは決してあるまい。前世紀から続く、まさに怨念というべき何かが映っている。ヤバい!

七里 圭(映画監督)

体内に入れるには濃くて危うい感じがする。黒と白、真実はふたつ。自分の価値にこだわる性は呼吸する影。陰は海に告げる、木と空は沈黙するだけ。木は特に墨液で描いたように見事な存在感。名は体を表す、主人公の犯行は阿吽。

alled of BLYY(ラッパー)

いつの間にか、2011・3・11以後の東京に引き戻されていた。放射能への恐怖が街の空気に漏れ出したような日々。その話題を避けようとする人、突然姿を消す人が増え、不安はつのった。この映画が独特の質感で描く東京という都市と、時に滑稽でもある登場人物たちは、思い出したくないあの日々が8年後に起こした思想的〈余震〉なのかもしれない。

尾原 宏之(政治思想史研究者)

3.11以降続く不穏と地震。風に乗る放射能。光と影のザラついたモノクロームが、まるで呪文のように今の日本を覆っていた。だけど何処かでその呪いを待っている自分もいるのかもしれない。

内田 信輝(映画監督)

なぜ今、黒白の8ミリ映画なのか。

80年代末、大学映研で8ミリカメラを手にした僕にとっても、既にモノクロ8ミリは酔狂の域だった。

だが、前時代の機器で写し取る、見慣れた現代に漂うこの寒々しい違和感は何事だろう。

ひとコマずつ蠢く粗い粒子が、暗がりを通り過ぎる不定形の影が、映画は決して現実の写実ではないと告げる。

これは闇のなかで観るのが相応しい。

阿と吽の間には恐らく、知ってはならぬ恐怖があるのだ。

山崎圭司(映画ライター「イタリアン・ホラーの密かな愉しみ」「厭な映画」

「謎の映画」「鬱な映画」「怖い、映画」編・著者)

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映画『阿吽』公式サイト©2018-2019 yukajino